神奈川県社会福祉士について

芭蕉苑介護老人福祉施設の第三者評価の結果

評価実施年月 平成22年1月
公表年月 平成22年3月
対象サービス 特別養護老人ホーム
法人名
対象事業所 芭蕉苑介護老人福祉施設
住所 〒252-0816 藤沢市遠藤35番地
TEL・FAX TEL:0466−87−1710 FAX:FAX:0466−88−5326
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総合評価

優れている点・独自に工夫している点

  • 法人の基本理念に「@全ての高齢者に対して『愛の心』で接する。A地域社会に対し『貢献』することを考える。B未来に対し責任を持ち『環境』に配慮する。」を掲げ、職員会議等で全職員に周知している。利用者との関わりも「ホスピタリティ(心からのおもてなし)」とし、提供するケアの質の向上に職員全体で取り組んでいる。
  • 人権擁護の取り組みを積極的に行っている。「ケアの基準書」を定め、高齢者を尊重し、敬う気持ちを持って常にケアにあたることの大切さと、利用者のプライバシーを守ることの視点を明記している。職員が人権問題に関する研修会に参加し、人権擁護に関する30項目の「自己点検チェックシート」を活用し自己点検を行っている。
  • 介護職員が事故防止対策委員会、サービス向上委員会、業務改善委員会のいずれかに所属している。各委員会は専門の事項を検討するだけでなく、同じ委員会のメンバーがチームを組み、行事の準備・実施や居室担当、クラブ活動担当等を担っている。年間を通じ、同じチームメンバーが様々な援助場面に関わることにより、効率化を図り、統一したケアの提供を実践している。
  • 利用者の状況を「暮らしの情報シート」にまとめ、施設サービス計画の作成につなげている。計画の作成にあたっては、サービス担当者会議を開催し、利用者や家族の参加を基本として開催している。サービス担当者会議の場で、利用者、家族は思いや希望を述べることができ、利用者主体の施設サービス計画の策定に取り組んでいる。
  • 苦情の内容、対策については、1件ごとに経過を記録し、年度ごとにまとめてホームページで公表している。ヒヤリハットや事故に関しても、個別に対策を立て、その後の取り組みを具体的に確認・検討している。検討結果は、リスク委員会を通じて苑全体に伝達している。
  • 管理栄養士を中心として食への取り組みを積極的に行っている。咀嚼や嚥下が難しくなっている利用者に対して「ソフト食」を提供している。寒天等を使用した「ソフト食」は、常食に近い形態と色づかいで利用者の目を楽しませている。提供に際しては介護職が事前に試食し、食感や味を確認している。
  • 看取り(ターミナル)のケアに取り組んでいる。現在3名のターミナル期の利用者がおり、嘱託医や看護職と連携して、支援にあたっている。利用者の逝去後も49日を目途に家族に手紙を出し、フォローを行っている。
  • 定期的に個別機能訓練を実施する他に、毎日の日課に「遊びリテーション」を組み入れている。午後のおやつ前の時間等に、ボール、お手玉等を使って身体を動かしたり、歌やしりとりを行っている。活動を楽しむ中で自然に身体を動かすことができ、利用者は参加をとても楽しみにしている。
  • 地域との結びつきを重視し、施設行事への参加を促している。市民講座や介護教室を多く開催し、地域に出向き実施している。ボランティアは、ホームページでも募集を掲載している。
  • 職員研修は「階層別年間計画」で計画的に行っている。職員会議の苑内研修において、外部研修の伝達研修を実施し、施設全体で内容を共有している。常勤、非常勤を問わず、職員が意欲的に研修に参加している。

改善すべき事項

  • 人権擁護の「自己点検チェックシート」等にて自己評価を実施しているが、自己評価の最終評価に、第三者が参加し、評価を受けることも必要と思われる。

評価領域ごとの特記事項

人権への配慮

  • 人権の尊重を「ケアの基準書」に明示し、職員に周知している。「ケアの基準書」で、高齢者を尊重し、敬う気持ちを持ってケアにあたることの大切さを謳い、利用者や家族に対する職員の言葉遣いについての心構えと留意点を示している。毎月開催する寮母会で、職員の接遇マナーについて職員間で確認を行っている。
  • 「ケアの基準書」で、利用者のプライバシーの尊重、自己決定の尊重、羞恥心の尊重を謳っている。介護場面においても常にプライバシーに配慮し、利用者の自尊心を損なうことがないようにしている。
  • 職員会議で人権問題や身体的拘束の問題を取り上げ、人権擁護に関する研修にも積極的に参加している。

利用者の意思・可能性を尊重した自立生活支援

  • 利用者の状態を「暮らしの情報シート」に記し、施設サービス計画の作成に反映している。サービス担当者会議は利用者、家族の参加を基本として開催している。参加できない家族に対しては、事前にアンケートを実施してニーズを把握している。
  • 利用者や家族はサービス担当者会議に出席し、意見や希望を述べ施設サービス計画に反映することができる。利用者が参加できない時は介護支援専門員が本人と面談し、希望や思いをサービス担当者会議で代弁している。
  • 個別機能訓練等に利用者が意欲的に取り組めるよう、見守りと声掛けを行っている。食事の内容や衣服を選ぶ際にも、利用者が自分の意思で決定できるように支援している。
  • 月に1回、施設サービス計画に沿った支援が行われているか「ケアプラン評価表」で評価し、介護方針の見直しを行っている。支援内容を変更する場合にはサービス担当者会議を開催し、利用者や家族の参加を求めている。
  • 給食懇談会を年4回開催し、管理栄養士が利用者の希望や思いを汲み取っている。

サービスマネジメントシステムの確立

  • 苦情受付担当者及び苦情解決責任者、第三者委員を置き、施設内に掲示している。「苦情処理要綱」を定め、苦情の内容は「苦情・相談記録票」に記し、1件ごとに経過を記録している。苦情・対策の内容は、年度ごとにまとめてホームページで公開している。
  • 事故防止対策委員会が中心となり、施設内のヒヤリハットをまとめ事故防止につなげている。ヒヤリハットについては、1件ごとに対策を立て、翌月には○、△、×を付け、その後の取り組みをチェックしている。
  • 事故発生時には、事故防止対策委員会で内容を分析し、再発防止の改善策を立てている。同時に施設サービス計画の見直しを行っている。インシデント、アクシデントの検討結果は、リスク委員会を通じて苑全体に伝達している。
  • 生活環境の整備は、居室担当者が「居室担当業務チェック表」を用いて確認し、利用者が快適な日々を過ごすことができるようにしている。環境整備の各種マニュアル類は「規則規程集」にまとめ、寮母室に置いている。
  • 「感染症マニュアル」や「急変時マニュアル」を整備し、感染症の予防や急変時の対応に取り組んでいる。内容は職員会議や苑内研修で周知している。感染症については、寮母室や各フロアに掲示物を掲示している。

地域との交流・連携

  • ボランティアは年間延べ500人ほどが活動している。ホームページでもボランティアを募集している。年1回「ボランティアの集い」を開催し、意見や要望を聞いている。
  • 納涼祭や敬老会、演芸会、クリスマス会などの施設行事を開催する際には、ボランティアや地域の住民に広く参加を呼びかけている。年4回開催されるイトーヨーカ堂の訪問販売は、地域の住民にも開放している。
  • 市民講座や介護教室を、年10回以上開催している。地域の市民センターなどに出向き実施している。
  • 地域の自治会に加入し、地域行事に参加して情報交換を行っている。日頃より地域の消防団と連携し、地区総合防災訓練に参加している。

運営上の透明性の確保と継続性

  • 社会福祉法人竹生会のホームページに法人理念を掲げ、具体的な法人の取り組みを示すことで、開かれた施設運営を実践している。
  • 第三者評価を継続して受審し、施設全体で提供するサービスの質の向上に取り組んでいる。
  • 第三者評価の結果や、介護サービス情報の公表の結果は、事務室前にファイルを置き、内容を閲覧できるようにしている。第三者評価の結果は、苦情の内容・対策とともに、ホームページに掲載している。

職員の資質向上の促進

  • 年度当初の職員会議や新人研修において、施設長より法人理念や方針を説明し、全職員へ周知している。
  • 「階層別年間計画」に基づき、計画的な研修を実施している。職員会議の苑内研修において、外部研修の伝達研修を実施し、施設全体で内容を共有している。外部研修の内容は、研修報告ファイルにまとめ、いつでも閲覧できるようにしている。
  • 「実習生受け入れマニュアル」を整備し、受け入れ担当者を決め、実習生の受け入れを行っている。

評価結果詳細

評価結果詳細PDFデータ(2.2M)


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