社会福祉法人明星会 竹の子学園の第三者評価の結果
評価実施年月 | 平成22年1月 |
---|---|
公表年月 | 平成22年3月 |
対象サービス | 生活介護・短期入所・施設入所支援 |
法人名 | 社会福祉法人明星会 |
対象事業所 | 竹の子学園 |
住所 | 〒250-0052 小田原市府川752−54 |
TEL・FAX | TEL:0465−32−7740 FAX:0465−32−7741 |
ホームページ | http://www.kanagawa-id.org/takenoko/ |
総合評価
優れている点・独自に工夫している点
- 利用者の人権を尊重し、神奈川県知的障害施設協会の「あおぞらプラン」の基本理念を遵守し、職員会議の場で内容を復唱している。また、成年後見制度の利用を促進し、現在、9割を超える利用者が制度を活用している。
- 人権擁護の取り組みとして、第三者委員やオンブズマン(KWネット)の相談員が定期的に施設を訪れ、利用者の希望や要望を汲み取っている。
- 利用者の状況をアセスメントシートで把握し、個別支援計画を策定している。個別支援計画表には利用者、家族(後見人)の要望欄を設け、支援内容に反映している。家族会を毎月開催し、希望や要望を確認している。家族会ではモニタリングの報告も行っている。
- 日中活動作業班として、受注班、リサイクル班、創作班、農業班、ウォーキング班、園内清掃班の6つの班が活動している。作業班では個人目標を設定し、日頃の活動の状況を記録し、年度ごとに目標の達成状況を評価して新しい目標を設定している。
- 毎日の食事は週1回以上、選択メニューを実施している。必要に応じて自助食器の使用や高さ調整の台を設置し、利用者が自分で食事ができるように工夫している。年5回開催される給食委員会には、利用者の代表として「たけやぶ自治会(利用者自治会)」の会長が参加している。
- 入浴は週7日、毎日実施している。一人で安全に入浴できる利用者は、夕食後の時間に自由入浴を利用している。
- 利用者と担当支援員の親睦・信頼を深めるため「ケース1日レク」を実施している。利用者と職員が一緒になって、中華街や遊園地、水族館、動物園等の1日外出を企画している。利用者は「ケース1日レク」を楽しみにしており、職員との信頼関係の構築に役立っている。
- 利用者個人の疾患に対応できる「個人疾患緊急対応マニュアル」を作成し、利用者の緊急時の対応に備えている。マニュアルは各寮に掲示し会議で確認するなどして、職員に周知している。
- 地域の自治会を対象として「成年後見地域啓発研修」を開催している。また、地域の施設職員等を対象として「社会福祉士受験対策講座」を開催している。これら2つの事業は、施設の機能及び人材を地域に提供するとともに、施設を理解してもらう良い機会となっている。
- 法人内の「パン工房ハッピー」でのパン、菓子の販売や、相談支援センター「エール」での相談事業にて、地域との関係を密にしている。
- 法人内のグループホームでの体験入所を通じて、利用者の地域移行への支援を行っている。また就労支援の取り組みとして、地域の企業の協力を得て、利用者14名が企業に出向き作業を行っている。企業内で作業を行うことによって、精神面の安定と社会性を身につけている。
今後の取組みに期待する点
- 「人権チェックリスト」等にて自己評価を実施しているが、自己評価の最終評価に、第三者が参加し、評価を受けることも必要と思われる。
評価領域ごとの特記事項
人権への配慮
- 神奈川県知的障害施設協会の「あおぞらプラン」の遵守を掲げ、職員会議で内容を復唱し、人権擁護の意識付けを行っている。新任職員研修においても内容を説明している。
- 施設長がKWネット(オンブズマン組織)の運営委員長を担い、また神奈川県知的障害施設協会の人権委員会に所属し、人権擁護の取り組みを積極的に行っている。
- 個人情報保護規程を設け、個人情報の保護とプライバシーの尊重に努めている。
- 成年後見制度の利用を促進し、現在、9割を超える利用者が制度を活用している。
利用者の意思・可能性を尊重した自立生活支援
- 利用者の状況をアセスメントシートで把握し、個別支援計画を策定している。個別支援計画表には利用者、家族(後見人)の要望欄を設け、具体的な支援内容に反映している。
- 日々の関わりの中で、担当支援員が利用者の意向を聴き取り、毎月開催される家族会にて家族(後見人)の希望を確認している。
- 利用者自治会(たけやぶ自治会)が組織され、年5回開催される給食委員会に自治会長が参加し、意見や希望を述べている。
- 個別支援計画は、毎月の寮(モニタリング)会議にて内容を確認し、必要に応じて支援方法の見直しを行っている。12月の家族会では、モニタリングの報告も行っている。
サービスマネジメントシステムの確立
- 「苦情解決取扱要綱」を定め、ホールや寮内に苦情相談の掲示をしている。第三者委員の設置の他に、オンブズマン(KWネット)も定期的に訪問している。
- インシデント及びアクシデントは、「竹の子学園出来事報告基準」で区分けされ、報告書にまとめている。報告内容は職員会議やリスク会議、寮会議で検討、分析し対策を立てている。
- 各支援マニュアルは、支援員室の「寮マニュアル」に綴じ、いつでも内容を確認できるようにしている。マニュアルの内容は必要時にその都度変更して、職員に周知している。
- 「感染防止マニュアル」や「健康管理マニュアル」を整備し、施設内の感染症防止に取り組んでいる。
- 「緊急時対応マニュアル」を整備し、利用者の緊急時の対応に取り組んでいる。緊急対応が予想される利用者には個別対応マニュアルを作成し、支援員室に掲示することによって、速やかに対応できるようにしている。
地域との交流・連携
- 「夏祭り」や「竹の子祭」などの施設行事に、地域住民やボランティアの参加を呼びかけている。地域の商店が出店したり、ボランティアが模擬店販売を担当している。
- 法人内の「パン工房ハッピー」は、地域内の施設や市内の関係機関からのパンや菓子の注文販売等を行っている。地域支援課では相談支援センター「エール」を設置し、地域で暮らす障害を持つ方を対象とした相談事業を展開している。
- 地域の自治会を対象として、「成年後見地域啓発研修」を開催している。福祉講座には、平成20年度、約70名の方の参加があった。
- 5年前より、地域の施設職員を対象として「社会福祉士受験対策講座」を開催し、多くの参加者がある。
運営上の透明性の確保と継続性
- 全職員で「人権チェックリスト」の記入を行い、人権擁護に関する取り組みを施設全体で行っている。
- 施設長が家族会に出席して、施設の取り組み(人権、苦情、事故等)を報告している。
- 平成19年度には、「福祉サービス利用者意向調査キット」を活用し、利用者(家族)アンケートを実施した。アンケート結果の意見等に対して回答書を作成し、家族に配布した。
- 現在、事業を客観的に見てもらうために、経営コンサルタントの導入を検討している。
職員の資質向上の促進
- 神奈川県知的障害施設協会が策定した「あおぞらプラン」を施設の基本方針に置き、職員会議で毎回、復唱している。
- 事業推進計画の研修計画に則り、定期的な研修を行っている。外部研修の内容は、職員室に研修報告書、出張報告書等を置いて、職員が自由に閲覧できるようにしている。
- 後継者育成のために、担当者を決め、実習生を積極的に受け入れている。開かれた施設を意識して、実習生アンケートを実施し、支援内容の改善につなげている。
評価結果詳細
PDFファイルを閲覧するためにはAcrobat Readerが必要です。
お持ちでない方は左のアイコンをクリックしてダウンロードしてください。