神奈川県社会福祉士について

工房ひしめきの第三者評価の結果

評価実施年月 平成22年8月〜平成23年3月
公表年月 平成23年3月
対象サービス 就労移行支援事業、就労継続支援B型事業、生活介護支援事業
法人名 社会福祉法人 ほしづきの里
対象事業所 工房ひしめき
住所 〒248-0031 鎌倉市鎌倉山2丁目8-34
TEL・FAX TEL:0467-33-0882 FAX:0467-33-0765
ホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~hishimek/

総合評価

優れている点・独自に取り組んでいる点

    <事業所の概要>

  • 就労移行支援事業所は、適切な環境の下、利用される方一人一人の能力と特性に応じた支援を行い、2年で一般企業に就労することを目的としている。施設内の清掃作業を全面的に担っている他、病院や公園の清掃業務やゴミの分別作業、味噌作りなどを行っている。ハローワークや神奈川障害者職業センターなどと連携し、職場巡回やジョブコーチの派遣を行っている。

  • 就労継続支援B型事業所では、42名の利用者が活動している。施設の利用者や職員、保健所、近隣の学校職員向けに毎日120食の弁当作りを担当している。昼食の弁当作り以外では、クッキー作り、指人形などの手芸品、名刺やはがきなどの牛乳パック再生紙工作品に取り組んでいる。2年前からクッキーやケーキ作りも始めている。「工房ひしめき」内に、地域に向けた販売室を設け、利用者の作品の販売を行っている。

  • 生活介護事業所「日日クラブ」では、12名の利用者が活動している。ダイレクトメールやチラシ作成、シール貼りなどの軽作業を行い、日中活動として散歩や運動プログラム、創作活動などを提供している。生活介護事業所「日日クラブ」は別の地域にあるが、週1回は「工房ひしめき」内で活動し、就労支援の利用者と交流している。

  • 上記の3事業以外に、社会福祉法人ほしづきの里では、「ケアサービスセンター・さくら道」での居宅介護事業・移動支援事業や、4か所のケアホームでの共同生活介護事業、障害児活動支援センター、第1号職場適応援助者派遣事業を担い、地域の拠点として機能している。また、緊急時の家族の介護負担の軽減や、本人の一人立ちステップの支援などを目的として、短期入所施設の開設を予定している。

    優れている点・独自に取り組んでいる点

  • 社会福祉法人ほしづきの里の基本理念に「私たちは、ほしづきの里に集い、心豊かな活動を通して、平和、自立、人間尊重の社会を実現します」を掲げ、各事業所では、「@個人個人の生きがいを支援し、全ての人の幸せを追求する、A地域の人々の暮らしを支援し、福祉の拠点となる、B全ての人々が尊厳を持って住み慣れた地域でくらしてゆく共生社会を実現してゆく」ことを目指し、支援を展開している。

  • 利用者の希望に添った支援、居心地の良い施設を目指し、職員間のコミュニケーションを大切にして、支援にあたっている。利用者とは個別に面談する時間を多く作り、日頃より希望を確認するようにしている。また、フリートークデイやオンブズマンの訪問、所長と話そう会を設け、利用者の思いやニーズを常に受け止める体制を整えている。

  • 利用者の自治会として、「ほしづき会」がある。ほしづき会には、各事業所から利用者の代表が出て、イベントの内容や施設内の環境改善の話し合いを行っている。施設内には、ほしづき会からのお知らせの掲示板があり、トイレやロッカーなどに、ほしづき会で決めた注意事項などを貼っている。施設内では利用者が自由に行動し、昼休みには、利用者が2階のホールや思い思いの場所で過ごしている。

    改善を要する点

  • リスクマネジメントについては、ヒヤリハット報告書の書式を活用し、事故の防止に積極的に取り組んでいくことを期待する。

評価領域ごとの特記事項

人権の尊重

  • 施設の理念を各場所に掲示し、「あおぞらプランU」や「Sネットプラン21」、「人権マニュアル」について職員研修を行い、利用者に対しての適切な呼称など、職員の人権教育を行っている。

  • 毎週木曜日の夕方の会議(夕会)では、職員が順番に自分の考えを話す時間を設け、職員が自ら理念を意識することができる機会としている。

  • 個人情報の保護については、「個人情報に関する職員マニュアル」を作成し、利用者の前で個人情報のやり取りをしないように心掛けている。

  • 実習生や見学者の訪問は、利用者に月間予定表を個別に配布し、できるだけ早く知らせるようにしている。施設内の掲示板に、オンブズマンの来訪予定日や「ひしめき通信」、連絡事項などを掲示して周知している。

意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

  • 利用開始時に日常生活動作などのアセスメントを実施し、個別支援計画を作成している。アセスメント実施時に、利用者の社会適応能力を確認し、個別支援計画に繋げている。個別支援計画は、3か月に1回モニタリングを行い、内容の見直しを行っている。

  • 利用者の状態に変化があった時には、ケース会議を開催し、利用者の健康状態の変化に応じた個別支援計画を作成している。5日間連続して欠席をした利用者には、家庭訪問をして状況を確認している。

  • 利用者とは個別に面談する時間を多く作り、日頃より希望を確認するようにしている。また、フリートークデイやオンブズマンの訪問、所長と話そう会を設け、利用者の思いやニーズを常に受け止める体制を整えている。

  • 就労移行支援では、一般企業へ就労し、経済的自立、社会的自立ができるようフォローアップを行っている。月1回の職場巡回やジョブコーチの派遣を行い、企業の中での支援、連携に力を入れている。

  • 利用者自治会として、「ほしづき会」がある。ほしづき会には、各事業所から利用者の代表が出て、イベントの内容や施設内の環境改善の話し合いを行っている。施設内には、ほしづき会からのお知らせの掲示板があり、トイレやロッカーなどに、ほしづき会で決めた注意事項などを貼っている。

サービスマネジメントシステムの確立

  • 苦情解決の取り組みとして、「苦情解決対応フローチャート」を作成し、苦情解決のポスターを施設内に掲示している。苦情解決責任者名や苦情窓口担当者名、第三者委員名を掲示して、利用者や家族に周知している。フリートークデイには第三者委員も参加し、湘南ふくしネットワークのオンブズマンが月1回訪れ、利用者と面談している。

  • 事故報告は、直近の理事会に報告する他、鎌倉市障害福祉課や県にも報告している。事故の再発防止を検討し、職員は朝会や夕会で内容を確認している。

  • 各支援マニュアルを整備し、職員に周知している。マニュアルの冊子を事務室に置き、内容をいつでも確認できるようにしている。

  • 感染症対応のマニュアルを整備し、感染症の予防に努めるとともに、感染症発生時の具体的な対応手順を定めている。感染症発生の予防として、玄関やトイレ、食堂などに、手指消毒機(CLEARLADY)を設置している。

  • 防災については、「職員防災行動フロー」や「火災震災対応フローチャート」を定め、防災訓練を定期的に行っている。施設内の電話の横には、災害時の連絡用のマニュアルが貼られ、誰でも対応できるようにしている。ようにしている。

地域との交流・連携

  • ボランティア担当を決め、作業ボランティアの受け入れを行っている。また、傾聴ボランティアの育成を検討しており、次年度は施設がモデルケースとなって、傾聴ボランティアの育成講座を開催する予定である。

  • 福祉関係に限らず、地域の卓球グループやヨガのグループなどに、2階のホールを貸し出し、施設の機能を地域に開放している。2階ホールは町内会の集まりでも使用し、選挙の際には、投票所として1階のホールを貸し出している。

  • 消防署員を招いての研修では、地域の方にも参加してもらっている。養護学校や、小学校から高校までの体験学習についても、積極的に受け入れをしている。

  • 毎年、地域の町内会と合同で「桜花祭」を開催している。「桜花祭」では施設を開放しバザーを行ったり、町内会館や近くの竹の子広場でも催しを行い、地域全体でのお祭りとなっている。また、チャリティコンサートも主催し、地域の参加を呼び掛けている。

  • 災害発生時の地域支援については、「鎌倉山町内会との覚書」や「災害時等における障害者の緊急受入れに関する協定書」により、地域や市と協定を結び、非常時に施設機能を提供する仕組みを作っている。

運営上の透明性の確保と継続性

  • 社会福祉法人ほしづきの里の基本理念を施設内に掲示し、またパンフレットに掲載することで、利用者や家族、地域に周知を図っている。

  • 各事業所の会議を月1回行い、事業内容の振り返りを行っている。会議は状況に応じて月2〜3回行うこともある。行事などの振り返りを含め、事業内容の評価は主任会議を中心にして検討している。

職員の資質向上の促進

  • 「階層別の求められる行動能力と能力開発、資格」を定め、階層別の研修を実施している。

  • 職員が外部研修に参加した場合は、次の日に口頭で報告し、研修報告書を提出している。研修報告書は事務室に保管し、職員がいつでも閲覧できるようにしている。外部研修は、職員が1年に1回以上受けられるように配慮している。

  • 実習生の受け入れは、所長が担当となり、学校からの体験学習や教員実習の受け入れを行っている。

評価結果詳細

評価結果詳細PDFデータ(400K)


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