神奈川県社会福祉士について

たんぽぽの家の第三者評価の結果

評価実施年月 平成23年5月〜平成23年9月
公表年月 平成23年10月
対象サービス 知的障害者更生施設(通所・入所)
法人名 社会福祉法人相模福祉村
対象事業所 たんぽぽの家
住所 〒252-0244 相模原市中央区田名6769番地
TEL・FAX TEL:042-761-7788 FAX:042-763-3318
ホームページ http://www.fukushimura.or.jp/

総合評価

優れている点・独自に取り組んでいる点

  • 「理解と共感」「ご利用者との信頼」「安心と安全」等、ISO9001の認証を受け、5つの相模福祉村品質方針を定め、顧客のあらゆる声に耳を傾け、深い人間性と高い専門性を持ち、利用者に安心してもらえる施設の実現を方針としている。事業計画書の冒頭に顧客満足を目指す法人の理念を掲げ、4月1日の全体会議で全職員が内容を読み上げ、職員に理念の実践を周知している。

  • 「職員倫理綱領」「職員行動規範」に、利用者個人の尊厳と自己決定の尊重及びプライバシー保護を謳い、利用者一人ひとりが安心し誇りを持って暮らせるように支援することを明文化し、職員に徹底している。毎年、人権擁護に関する研修を行い、全職員に出席を義務付けている。

  • 利用者一人ひとりの個別支援に力を入れている。個人の生活習慣、社会的計画・活動、コミュニケーション能力・対人関係、要配慮行動、家族支援等の項目別に課題を明確にし、個別支援計画の課題ごとにモニタリングの時期を明記し、達成度を評価している。個別支援は、人と人との関係の在り方に視点を置いたエンパワメントを心掛けている。

  • 利用者は障害の特性に合わせ、8つの「社会自立支援係」と、3つの「生活支援係」のグループに分かれ、日中活動を行っている。利用者一人ひとりのニーズに合わせたグループ編成にすることで、ゆとりある生活空間の中で活動に取り組むことができるよう支援している。

  • 利用者が地域で自立した日常生活を送ることができるように、就労支援を行っている。就労に向けた支援のひとつとして、コロッケの製造販売を行っている。平成22年10月より、あんこコロッケ、唐辛子コロッケ等の新製品を随時製造し販売している。また、利用者が製造したクッキーのおいしさがコンビニエンスストアの目にとまり、二種類のクッキーを納品している。売上げは訓練工賃計算書で記録されており、売上げも順調であり、利用者の自信と仕事への意欲につながっている。

  • 利用者の自治会組織「たんぽぽ委員会」が活発に活動している。毎年入所者の選挙で委員を決定し、広報委員、リサイクル委員、飼育委員等、様々な活動をしている。毎月、委員会を開催し、夏休みの過ごし方や旅行について話し合い、また、どのような行事にしたいかを自分たちで意見を出し合い、利用者の希望を各種の行事に反映している。利用者が、生活上の問題に一人で悩まず、気兼ねなく相談できるように、「たんぽぽ委員会」と職員の相談委員が連携し、何でも話が出来る雰囲気作りに努めている。

  • 地域移行に向けて、6ヶ月の期間を想定して自活訓練を行い、本人が地域生活に自信を持てるように、独自のプログラムを設定している。集団に馴染めないケースでは、短期入所の制度を活用し、自宅の閉じこもりからケアホームに移行できるように支援している。平成22年7月に、短期入所利用者が自活訓練を開始し、本人の興味を尊重し適切な声かけや対処の支援により、2ヶ月半後にケアホームに移行した実績がある。

  • 市内唯一の24時間体制の相談事業所として、相模原市から委託を受けている。3名の専門相談員を配置して、障害者本人の問題だけでなく、家族の問題や地域移行、居住支援等、多方面の相談に応じている。平成22年度は、年間の相談件数がのべ682件に及んでいる。障害種別や関係機関の増加に伴い、利用者ニーズも多様化しており、児童相談所を通した虐待児に関する相談も増加している。

    改善を要する点

  • 夏祭り等施設行事に地域の人たちを招待したり、地域の小学校との交流会や、中学校の体験学習等を通して、地域の人たちの施設に対する理解が深まっているが、現在は、地域の人たちに福祉を理解してもらうための講習会や研修会は開催していない。
    災害用の食品備蓄は確保できているので、災害時の地域住民との連携に向けて、さらに地域住民とのつながりの強化が期待される。

評価領域ごとの特記事項

人権への配慮

  • 事業計画書内に「職員倫理綱領」「職員行動規範」を明示して、年度開始の4月1日の全体会議では全職員で読み合せを行い、また研修計画には障害者の権利擁護を入れ、人権に配慮した支援について周知と確認をしている。新任職員や実習生にも同様のことを実施している。

  • 「職員行動規範」には人権を意識した項目を入れ、毎月開催している「権利擁護推進委員会」ではその振り返りを行い、施設全体で権利擁護に取り組んでいる。

  • 個人情報の漏洩防止は規定に取り決めがあり、職員の入職時には個人情報の扱いについて誓約書の提出を義務付けている。利用者には実習生や見学者の訪問について事前に説明がされ、また実習生や見学者には、オリエンテーションの中で個人情報の取り扱いの説明を行っている。

  • 「生活支援マニュアル」の中にもプライバシーの保護を明記しており、利用者の人権の尊重、法令遵守等については常に周知や振り返りを行っている。朝礼時の施設長の訓示、各係ごとの昼礼での伝達等で徹底している。

利用者の意思・可能性を尊重した自立生活支援

  • 個別支援計画は、年2回の健康診断、フェイスシート、アセスメント票、利用者面談・保護者面談の記録、医学判定書、心理判定書等の記録に基づき作成し、利用者のニーズについては利用者と日常接している担当者が把握し、計画に反映している。

  • 個別支援計画書は、本人・後見人・家族にも策定手順を説明し承諾を得るようにしている。日常生活の状況については半期に一度見直しを行っている。社会参加に向けての計画も行っている。

  • 重度・軽度の利用者ではニーズも違うため、個別支援計画の書式も区別している。

  • 生活担当の職員は日常会話の中から利用者の意向を汲み取るとともに、家 族にも面談して、その人らしい、一人の人間としての生活ができるよう配慮した支援を行っている。

  • 個人の好みに合わせた余暇活動も行っており、本人の能力を伸ばせるよう個別支援計画を策定している。また近隣のアパートで自活訓練を行う等、本人の可能性にも配慮している。

  • 利用者の自治会活動として「たんぽぽ委員会」を設置している。毎月、委員会を開催し、利用者による生活改善や施設の整備について話し合いが持たれ、行事等の内容にも反映している。

  • 地域移行を視野に入れた社会自立支援に力を入れている。地域での自立した生活を支援するケアホームバックアップ職員も配置している。また自立に向けて就労支援も行っており、支援のひとつとして、コロッケの製造販売をしている。また、利用者が製造したクッキーのおいしさが近くのコンビニエンスストアの目にとまり、クッキーを納品している。売れ行きが好調で利用者の自信や励みになり、成長にもつながっている。

サービスマネジメントシステムの確立

  • 利用者を対象に苦情解決の一環として「聴いて聴いて窓口」を設置して、担当職員についてポスター掲示をしている。また苦情受付担当者の氏名も掲示して周知している。相談窓口の他に、「権利擁護推進委員会」と利用者自治会活動である「たんぽぽ委員会」を設置し、利用者の様々の話の中から問題に迅速に対処できるようにしている。意見箱を設置し、第三者委員(3名)も委託している。苦情解決に関する規則により、苦情受付報告経路が整備されている。

  • リスクマネジメントマニュアルに基づき、利用者の障害特性によるリスクに関しては支援記録をもとにリスク把握と防止に努めている。異例報告書にヒヤリハットが記録され、検討や分析により、職員が「気づく力」を養うことでリスクを回避するよう努めている。

  • 感染症等には感染予防のためのマニュアルを作成し、周知をしている。流行の時期には朝の申し送りや引き継ぎにより、全職員に周知している。

地域との交流・連携

  • 施設内にボランティア担当のコ―ディネーターを配置して、地域との交流が活発となるよう調整を行っている。年間行事計画には地域開放の行事が予定されている。

  • 実習生の受け入れや近隣小学校の体験学習等を積極的に行い、各地区の民生委員見学等も随時実施している。

  • 地域の自治会にも加入して、スポーツ大会等に参加し交流を深めている。

  • 夏祭り、クリスマス、文化祭の時には施設を開放し、地域との交流を積極的に図っている。

  • 地域移行のためのケアホームでの支援を充実させ、利用者の社会的自立の促進を図っている。

運営上の透明性の確保と継続性

  • 施設理念や運営方針は玄関に掲示されている。

  • 法人の理念、品質方針、施設運営目標、活動方針は、事業計画に記載して年度初めの全体会議で読み合わせを行い、全職員に周知している。

  • 事業計画書は全職員に配布し、各会議には必ず持参するようにしている。

  • 個別支援計画は利用者のニーズや思いを汲み取った策定ができるよう、利用者面談記録、保護者面談記録、医学判定書等に基づき策定している。

  • 個別支援計画の実施にあたっては、利用者、保護者に説明し、承諾を得て確認印をもらっている。

  • 施設内の情報の共有に関しては、朝礼での施設長による訓示、各係ごとの昼礼での伝達、書類の閲覧等により周知や確認が徹底されている。

職員の資質向上の促進

  • 研修計画書を作成し、職種や経験年数に基づき、救命救急、障害の理解、支援方法等の様々な分野の外部研修を受講している。

  • 職員全体対象の内部研修を実施している。内部研修では支援マニュアルに基づいた援助態度習得についての研修を実施している。面接技術の習得についても確認を行っている。

  • 外部研修受講後は報告書及び資料を提出し、受講内容は全職員で共有できるよう、資料閲覧の環境が整備されている。

  • 年2回、人事考課制度に基づき、職能要件書及び自己評価表を作成し、定期的に職員の面談を実施し、職員同士のコミュニケーションを図り、業務の質の向上に努めている。

  • 実習生の受け入れに関しては、担当職員を1名配置している。

評価結果詳細

評価結果詳細PDFデータ(153K)


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