神奈川県社会福祉士について

やまばと学園の第三者評価の結果

評価実施年月 平成23年8月〜平成24年3月
公表年月 平成24年 3月
対象サービス 障害者支援施設 (生活介護・施設入所支援)
法人名 社会福祉法人浄泉会
対象事業所 やまばと学園
住所 〒 250-1322 秦野市渋沢2620番地2
TEL・FAX TEL:0463-87-1188 FAX:0463-87-6876
ホームページ http://www.kanagawa-id.org/yamabato/

総合評価

優れている点・独自に取り組んでいる点

  • 法人の理念である「やまばと学園信条」の実践に努め、利用者一人ひとりが「快適・安心・安全・楽しく、アットホームに健康で満足して過ごせる」利用者本位の施設を確立するように、利用者の基本的人権を尊重し、その人間性を育むよう、安らぎとゆとりのある楽しい学園の運営に努めている。

  • 「やまばと学園信条」を毎朝、職員全体で唱和し、利用者の人権尊重の理念の周知とさらなる深化をはかっている。

  • 「利用者の人権侵害の防止に関する内規」を定め、利用者への身体拘束や虐待の発生を強く戒めている。学園のパンフレットにも明記し、利用者と家族に伝えている。

  • ISO9001の認証を平成17年に取得し、平成23年に2回目の審査を更新し、計画されたマネジメントシステムを実行している。

  • チャレンジシートを活用し、職員自身が能力の向上の自己評価をおこない、利用者に対するサービス改善に取り組んでいる。施設方針に、PDCA(計画、実行、評価、改善)で仕事をすすめることを定めている。目標面接チャレンジシートに、職員一人ひとりの能力向上のチャレンジ項目と実現のための方法・手段を明記し、半期ごとに管理者との面接でチャレンジ項目の内容と実績を評価し改善につなげている。計画の早期立案、毎月実行、毎月反省、毎月改善のPDCAサイクルを推進している。計画されたマネジメントシステムを効果的に組織が実行していることがうかがえ、個々の職員のPDCAを組織的に支援する取り組みが定着している。

  • 5S活動を継続し、利用者が快適に過ごせるように環境整備に務めている。5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の定期点検を年に2回実施し、清潔で快適な施設環境の維持に務め、平成23年7月に18回目の点検を二日間をかけて実施した。4段階の評価基準により点検表に評価結果を記録している。居室の窓ガラスの清掃、居室や休憩室のホコリの清掃、洗面所を清潔に保つことなどそれぞれの課題をきめて活動に取り組んでいる。5S活動を継続して行い、利用者に優しい生活環境の維持に努めている。

  • 利用者の家族の意見・要望を積極的に取り入れ、利用者への適切な支援を心掛けている。利用者の日々の生活状況などを記述した支援サービス報告書を毎月、家族に手紙で送り、家族とのコミュニケーションの維持に努めている。支援サービス報告書には、個別支援計画の年間目標を明記し、前月の家族から寄せられた意見・要望を踏まえた支援の内容を記述している。手紙には返信用の意見・要望記述書を同封し、家族の返信をもらうことにしている。家族とのコミュニケーションの強化を図ることで、利用者が安心して快適な生活を送ることができるサービスの提供を実現している。

  • 利用者の食事に関しては、食生活委員会を毎月開催し、利用者の好みを献立に反映し、利用者に安心しておいしく食べてもらえるよう工夫している。また、利用者の健康状態、好みなどに合わせた個食対応を行っている。

  • 毎日入浴を基本とし、利用者の健康保持と衛生的な身体を第一目標に実施している。介助が必要な方、車椅子の方、持病のある方には、マンツ−マンで見守り支援し、安全性の確保に努め、夕食前に入浴している。その他の利用者は夕食後に入浴できるようにし、ゆったりと余裕をもって入浴できるようにしている。

  • インフルエンザなどの感染症や、水虫などの予防や治療は、施設全体で撲滅に向けて取り組んでいる。

  • ボランティア活動は、地域住民などによる定期的な散歩支援、地元中学校の吹奏楽部訪問がある。また、納涼祭・運動会では、学園OB・OG、地元大学生、一般社会人、主婦など多くのボランティアの協力を得ている。

  • 福祉サービス第三者評価を継続して受審し、今回が2回目の受審となる。第三者評価を定期的に受けることで、自己評価による日頃の見直しと共に、提供する福祉サービスの質の向上を目指した取り組みを展開している。

評価領域ごとの特記事項

人権の尊重

  • 「やまばと学園信条」や理念を施設のいろいろな場所に掲示して、朝の会議などで唱和し、常に職員が意識して働くことができるようにしている。

  • 利用者の人権侵害の防止に関する内規を定め、身体拘束など利用者の人権侵害を禁止することを規定し職員に周知している。やむを得ない場合には、家族に事前に説明し、「行動制限に関する同意書」を頂く事になっているが、現在あてはまる事例はない。

  • 個人情報保護法などに基づき、職員会議や各階会議で個人情報を適正に取り扱うよう周知している。また、法人の職員行動指針に、個人情報保護と管理を明記し職員に注意を喚起している。

  • 利用者の障害特性に合わせ、排せつ、入浴介助を行い、一部介助が必要な時は同性介護を行っている。トイレ、浴室にはドアがあり、プライバシーが守られるようにしている。

意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

  • 個別支援計画の策定にあたっては、ほとんどの利用者が思いを表現することが難しいため、日常生活の中で担当職員が利用者ニーズを把握し、家族や後見人に面接または電話で説明し、家族等の要望を確認し個別支援計画に反映している。また、意思が確認しにくい利用者には、家族に個別支援計画を提示し、利用者に代わって同意を得るようにしている。

  • 個別支援計画は利用者の心身に配慮し、3ヶ月から6ヶ月毎に見直して、状況の変化により、随時ケース会議を開催している。

  • アセスメントや個別支援計画の作成時に利用者の障害特性を把握し、また家族の意向も聞き、リスクマネジメントマニュアルに基づき、常にリスクを回避するように課題を設定し、個別支援計画に反映している。

  • 職員は利用者本人の好きなことや思いを日常生活の中で把握し、エンパワメントの視点で関わることを心掛けている。鍋敷きの制作やビーズ通し等興味のあることに配慮し、利用者が意欲的に作業ができるようにしている。

サービスマネジメントシステムの確立

  • 生活環境の整備は、「作業手引書」に基づき行っている。また、5S活動を年2回行い、施設全体で環境整備に取り組んでいる。衛生管理面では、業者による定期的な点検・清掃を行っている。

  • 苦情解決窓口として、法人内に苦情解決委員会を設置し、寄せられた要望・苦情は全て記録し全職員に周知している。要望や苦情は毎月、家族に「ご意向・ご要望書」を配布し、気楽に相談できるように配慮している。

  • 感染症の対策は、毎年、内容を更新して職員に示している。今年度はインフルエンザやノロウィルス対策についてマニュアルを整備し、全職員に書面で周知している。また、11月から2月を施設内感染症予防強化月間として定め、感染症の予防に取り組んでいる。

  • 救命救急は、マニュアルに基づき緊急対応ができるよう取り組んでいる。AEDはケアホームを含め7台設置し、吸引ノズル器は食堂と各フロアの記録コーナーに置いている。救命救急講習は今年度中に全支援員が受講を修了する。

地域との交流・連携

  • ボランティア担当の支援員を2名置き、ボランティアの受け入れを行っている。ボランティアの活動は、散歩の支援、地元中学校の吹奏楽部の訪問、納涼祭や運動会の活動などがある。

  • 納涼祭などの施設行事開催時には、地域の方々を積極的に招いている。毎年200人以上の地域の方の参加があり、施設を理解してもらう取り組みとして位置付けている。

  • 地域の方への講習会や研修会は開催していないが、地域内の他施設の職員の研修受け入れを行っている。また、家族会に対して、救命救急講習Tを開催して緊急時の対応を理解してもらう取り組みを実施している。福祉展などで利用者が作成した作品を展示、販売し、学園の紹介を行い、地域の方に障害者の福祉施設を理解してもらう取り組みを行っている。

運営上の透明性の確保と継続性

  • 施設理念として、「やまばと学園信条」を定め、毎日、朝の申し送りや会議の冒頭で、全員で唱和している。信条に利用者の基本的人権を尊重し、その人間性を育むことを掲げて、施設全体で重点的に取り組んでいる。

  • 職員全員が、「目標面接チャレンジシート」を用いて、年2回、定期的に支援サービスの自己評価を実施している。職員は半期毎に、チャレンジシートに自己の能力向上に関するチャレンジ目標を設定している。管理者のアドバイスを受けながら、実績の評価と改善のPDCAサイクルを推進しており、チャレンジ目標を誤嚥事故対策や感染症予防などのサービス改善につなげている。

  • 利用者への各種支援システム(基本的サービスの手引書)を定め、施設全体の取り組みとしてはISO9001や福祉サービス第三者評価を定期的に受審することで品質マネジメントシステムを作り、利用者支援システムとサービス管理システムが一体的に機能するよう、施設全体で取り組んでいる。

職員の資質向上の促進

  • 施設内の職階制としては、職能資格等級制度を採用し、人材の職務遂行能力を6等級に分けて、個々の職員の位置づけの明確化と責任・権限の明確化を図っている。また、職務基準を明らかにし、組織が求める職員の遂行能力等を高めるようにしている。

  • 職員育成の中核に目標面接チャレンジシートの活用を置き、人材の育成を図っている。職員全員に、半期毎の目標面接チャレンジを実施し、施設全体で自己評価に取り組み、自己の能力向上のチャレンジ目標を設定し、半期毎に目標達成の成果を管理者と本人が評価し次の改善目標を設定している。職員一人ひとりの能力向上の目標管理を組織的に支援している。

  • 外部研修は、テーマに応じて参加者を決定している。研修参加後は、資料配布により、職員間の共有を図っている。内部研修では、「基本ルールとマナー」などの研修を実施し、基本的な面接技術を習得する機会としている。

  • 実習担当職員を置き、専門学校や短大生、大学生の実習の受け入れを行っている。23年度は、13ヶ所の学校の受け入れを行っている。

評価結果詳細

評価結果詳細PDFデータ(360K)


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