グループホームかきお（共同生活住居グループホームかきお）の第三者評価の結果

＜ホームの概要＞

ホームは小田急多摩線五月台駅から徒歩7分の閑静な住宅街にある。社会福祉法人川 崎市社会福祉事業団が運営する指定障害者支援施設川崎市柿生学園が、平成15年10月に開設した木造 2階建て定員6名の共同生活介護事業所である。職員体制は、管理者、サービス管理責任者及び支援員 各1名の常勤職員と4名の常勤世話人及び1名の非常勤世話人の体制である。平成25年10月末現在、 39歳から60歳までの女性6名が入居し、平均年齢は48歳である。アットホームな雰囲気の中で利用者 が楽しく過ごせるようなホームづくりを目指している。利用者が地域で豊かに生活できるように、利用 者一人ひとりの生活の意識化を図り自主性を尊重し、利用者が自立して毎日の生活が送れるように支援 している。

＜ホームの支援の特徴、努力・工夫している点など＞

1. 毎月1回世話人会議を開催し利用者支援に関す る世話人相互の情報共有を図っている。会議では服薬や事故のリスク管理などホーム運営についての事 務連絡のほか、利用者個々の障害や生活状況について話し合っている。また、毎日の利用者の状況の変 化や対応については、日誌を活用し利用者支援の世話人相互の意識の共有を図っている。
2. 職員の思い を利用者に押し付けることがないように、利用者の意思や個性を尊重した支援を行っている。入職時に 川崎社会福祉事業団柿生学園の「基本理念」と「行動規範」を職員に配付し、利用者がその人らしく生 活できるように意識の徹底を図っている。年１回、職員は柿生学園が実施する人権擁護についての研修 を受講し、また、毎年定期的に全職員が「虐待チェックリスト」で自己チェックを行い、自己の人権意 識を振り返り自己覚知につなげている。
   
   
3. 平成25年度事業計画に、住居施設として地域の理解と協力 を得ることを掲げている。日常生活のゴミ出し等で利用者が地域住民と言葉を交わし馴染みの関係にな っている。近隣地区は障害者に理解があり、利用者は日常的に住民と挨拶を交わすようにしている。
   
   
4. 車いすの利用者が外出できるように道路からホームまでの階段に階段昇降機を設置し、またホーム内 のバリアフリーや手摺を完備し利用者の身体状況に配慮した生活環境の整備に努めている。

人権の尊重

1. 職員は利用者に対して「さん」付けで呼んでおり、個々の利用者の障害特性を 把握した上での声掛けが行われている。また、居室に入る時には必ずノックし、 了解を得た上で入室している。
2. 職員の思いを一方的に押し付けることがないよ うに心がけ利用者の意思や個性を尊重した支援を行うように努めている。入職時 に法人の「基本理念」と「行動規範」を配付し説明している。年１回の人権擁護 についての研修を全職員が受講している。また3ヶ月から6ヶ月に１回全職員が 「虐待チェックリスト」で人権擁護に関する自らの行動を振り返り人権意識徹底 を図っている。

意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

1. 個別支援計画を年度初めに策定している。職員がアセスメントを行い、また利 用者と家族にホームでどのように過ごしたいかについて意向を聞いている。個別 支援計画作成にあたり、施設長、サービス管理責任者、主任等で話し合い支援内 容を決定している。個別支援計画の内容を利用者、家族に説明し同意のサインを 受領している。年度半ばにモニタリングを行い、年度末には個別支援計画の実践 の結果について評価し、次年度の計画策定の参考にしている。

サービスマネジメントシステムの確立

1. 利用者の家族や成年後見人からの預り金管理依頼書に基づいて利用者全員の 預り金の管理を行っている。パソコンで台帳管理を行い、毎月預り金報告書を作 成し預金出納帳等を添えて家族や成年後見人に報告している。
2. 苦情解決・相談 対応マニュアルを作成している。マニュアルに苦情受付担当者、苦情解決責任者 及び第三者委員の連絡先を明記している。苦情申し立て人と苦情解決責任者や第 三者委員の話合いの仕組みを明示し、ホームの玄関に掲示して利用者や家族に周 知している。
3. 緊急時対応マニュアルを作成し、事故や急病発生時の家族や関係 機関との連絡の仕組みを整備している。また、連絡帳を活用し通所先との連携に 努めている。年に3回利用者が参加し防災訓練を実施している。また、消防署の 協力を得て防災設備・器具の点検を行っている。

地域との交流・連携

1. 平成25年度事業計画に、住居施設として地域の理解と協力を得る事を掲げて日常業務のゴミ出し等で地域住民に声をかけるようにしている。
2. 町内会等の各種の地域行事に参加している。初詣や地域の夏まつり、区民祭等に参加している。また、利用者は多数の地域住民が参加する柿生学園祭に参加し地域住民との交流を図っている。

運営上の透明性の確保と継続性

1. サービス管理責任者は世話人会議で事業計画について説明し事業運営の意識 の共有を図っている。また、毎年家族に郵送し事業計画の内容を周知している。 利用者の状況に応じた支援内容について世話人会議で話合い職員相互の意識の 共有を図っている。
2. 職員の入職時に法人の基本理念や運営主体である柿生学園 の運営方針や事業計画について説明している。また「知的障害者施設支援におけ る行動規範（指針）」を作成、職員に配布し周知している。行動規範に利用者の 意思の尊重や社会参加の最大限の保障を明記している。

職員の資質向上の促進

1. 年間研修計画を立て研修を実施している。事業所の内部研修として5回(権利 擁護、記録、虐待防止等)実施し外部研修として4回（虐待防止、自己評価、発 達障害の特性等)の研修を実施している。権利擁護の研修にはほとんどの職員が 参加している。また外部講師を招いて世話人を対象にした研修を実施している。

日常生活支援

1. 毎朝検温し日誌に記録し、また排泄状況を毎日排泄表に記録し利用者の健康 状態を把握している。業務マニュアルに服薬管理の手順を記述し、また受診の結果や薬の変更等を「グループホーム利用者連絡表」に記録し職員間の情報共有を図っている。
2. 土・日の休日に利用者は散歩や、買い物などに出かけている。歌の好きな利用者はヘルパーが同行しカラオケを楽しんでいる。また休日は職員と利用者が協力してお菓子作りを楽しむ事もある。
3. 預り金報告書や個人の郵便物は毎月利用者家族に郵送し、また利用者の身体状況や必要な情報を適宜、家族に伝えている。