相模原市立大沼保育園の第三者評価の結果
評価実施年月 | 平成25年4月〜26年3月 |
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公表年月 | 平成23年3月 |
対象サービス | 保育所 |
経営主体(法人等) | 相模原市 |
対象事業所 | 相模原市立大沼保育園 |
住所 | 〒252-0333 相模原市南区東大沼3−18−20 |
TEL・FAX | TEL:042-745-2140 FAX:042-745-2447 |
ホームページ | http://c.rakuraku.or.jp/facility/fact/id/1483 |
総合評価
優れている点・独自に取り組んでいる点
○保育目標
大沼保育園の保育目標に、「意欲と思いやりのある子」を育てるとし「@家庭的なくつろいだ雰囲気の中で、子どもたちがのびのびと楽しく過ごせるような環境作り、A遊びや友達などとのかかわりを通して、自らやろうとする意欲を育て又豊かな感性や思いやる心が育つよう、個性を大切にする、B心身共に健やかに発達できるよう、家庭と連携を十分取る」を掲げ保育に取り組んでいる。
○立地を活かした保育
園は住宅街に位置し、大沼小学校、大沼公民館、大沼こどもセンター、高齢者グループホームに近く、小学校に5歳児が定期的に招かれたり小学生の見学受入れ、高齢者グループホームの高齢者と交流するなどしている。また、中学生・高校生の体験学習など立地を活かした保育を行っている。
○オープン保育
「異年齢児の触れ合いを大切にしよう」を重点課題に掲げ取り組んでいる。オープン保育のなかで、日常的に異年齢児との関わりがある。年下の子どもへの思いやりの心、年上の子どもに叱られたり褒められたりまた憧れの気持ちを持つなどの経験が培われている。また、個別に対応の場面では、他の保育士が集団で遊んでいる園児の対応をするなど、保育士の間で役割を柔軟に分担している。
○地域子育て支援
地域担当保育士を中心に、園が持つ子育ての知識、技術、設備等を生かし、地域の子育て支援の拠点として取り組んでいる。毎日の園庭解放、図書の貸し出し、毎月の誕生会、七夕会等の園行事への招待などを通して、園児と地域の子ども達との交流を図っている。また、地域子育て支援事業として、地域子育て通信「ハッピースマイル」を発行している。公立保育園4園合同で、子育て支援講座等の取り組みも行っている。
○職員間の連携
「全園児を全職員で」に沿って、全職員で漏れなく情報を共有出来るよう職員会議を月2回開催、また園内連絡ノートを活用し職員間の情報共有と連携を図っている。昼食時、食事の終わった職員が順次保育を対応するなど、チーム保育の下でオープン保育を実践している。
○ランチルーム
調理室がガラス張りになっており、ランチルームから調理の様子が見える。調理の香りが吹き抜けを通じて乳児クラスのある2階まで届くようになっている。ランチルームでは、名前カードで席を確保しお盆を自分で運び、友だち同士で挨拶を交わして食べるなど、自由に好きな場所で決められた時間内であれば好きな時に給食を摂る事ができる。食器は磁器製で木の箸を使っており、食べ終わった食器は園児が自分で片付けられるようカゴに食器別の写真を貼るなど工夫している。
○保育の資質向上
市保育課主催の研修に加え、園では「アネモネの会」として年11回自主研修を行なっている。他のクラスの懇談会を見学したり、日頃の保育について自己評価を行い、振り返りの機会を持っている。また、保育日誌の書き方について、園長が良い記述に赤線を引き職員会議で紹介するなど、保育の資質向上に努めている。
評価領域ごとの特記事項
人権の尊重
- 園児や保護者への適切な言葉遣いや態度について、「大沼保育園保育マニュアル」に定め、職員会議での話合いや、接遇に関する外部研修の報告等を行うことで共通認識をもって保育に取り組んでいる。外国籍の保護者には、母国語表記の「入園のしおり」や配布物にルビを振る等、個別の伝達を日頃から心掛けている。
- 相模原市個人情報保護条例が制定されており、職員会議等での周知や園内に個人情報に関するパンフレットを掲示し、職員の意識の徹底をはかっている。保護者には入園説明会等で説明している。個人情報を含む文書類は書庫に施錠して保管し、「持ち出し管理票」にて取り扱っている。
- 実習生やボランティア、見学者の受入れにあたっては、受入れマニュアルを整備し、プライバシーの保護について説明し徹底をはかっている。
意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供
- 家庭との連絡・情報交換は、「大沼保育園保育マニュアル」で手段・方法等を定め、連絡帳や「すくすくカード」、園だより、クラスだよりのほか、送迎時に保護者が確認できるように、その日の様子や連絡事項を情報ボードに写真入りで掲示し、保育状況を知らせるなど連絡を密にしている。
- クラス懇談会を年2回実施し、保護者の意見・要望を把握している。個人面談は全園児に年1回実施しているほか、必要に応じ行っている。
- 運動会やおたのしみ会等の保護者参加の行事の後には、アンケートを実施している。また、保護者が意見や要望等を出しやすいように「ご意見箱」を設置し、日頃より保護者の希望や意向の把握に努めている。
サービスマネジメントシステムの確立
- 苦情への対応は、「相模原市立保育所及び療育センターにおける苦情解決実施要綱」に手順を明記し、苦情受付担当者や苦情解決責任者、第三者委員名を、正面玄関と2階階段横など3ヶ所に掲示して、保護者に周知している。受付けた苦情は「苦情受付書」に記し、早急に対応している。
- 「相模原市立保育園園児健康管理マニュアル」で、室内の環境整備の方法を定め、「安全衛生チェックリスト」で温度や湿度や換気、消毒液、洗剤の管理、危険物など管理と安全点検を行っている。園児が触れるおもちゃ、布団、砂場など物品の除菌・消毒、遊具の安全点検については「園児健康管理マニュアル」「安全チェックリスト」で、点検実行記録をつけ衛生面・安全面の管理を行っている。
- 「感染症対応マニュアル」を常備し、園内で流行している感染症の情報や季節に流行する感染症の資料を配布し、インフルエンザなどの情報は保健ニュースの掲示や「園だより」などで保護者に情報提供している。
- 防火・防災については、「大沼保育園消防計画」に基づき避難訓練などを年12回行なっている。防犯については、「大沼保育園保育マニュアル」不審者対応に沿って防犯訓練を年間4回実施している。実施後は、職員会議等で反省と見直しを行っている。
地域との交流・連携
- 地域の子育て支援については、地域担当職員を中心に、園庭開放や誕生会、「いっしょにあそぼう!」「おもしろランド」「 ワン・ツー!あそぼ」など園児と地域の親子が交流できる機会を持ったり、育児相談などを行っている。
- 地域の子どもセンターで「おもしろランド」などを行い、遊びの紹介や育児相談を行っている。また「ぬまっこ子育て広場」からの依頼で子育て講座を実施している。地域の親子向けに「地域子育て通信ハッピースマイル」「子育て通信にこにこえくぼ」等の機関紙を発行し、子育てに関する情報を提供している。
- 地域の高齢者グループホームの高齢者と定期的に交流している。また、近くの大沼小学校に5歳児が定期的に招かれ交流している。
運営上の透明性の確保と継続性
- 大沼保育園独自の自己評価チェック表を作成し、前期・後期年2回自己評価を実施し、その結果を職員会議でフィードバックし改善につなげている。行事や日々の保育については、保護者アンケートの結果も参考に乳児・幼児の話し合い会議で検討し改善を図っている。
- 保育目標は、保護者や地域からの理解が得られるよう、園内へ掲示したり、「おおぬま(園だより)」「おおぬまほいくえんパンフレット」「大沼保育園の概要」などで周知している。
- 保育の様子を見る機会を保護者対象に公開保育を6月に、保護者及び地域の方を対象に保育ウィーク5日間を11月に、保護者を対象に保育参観を2月に開催し、同日、懇談会も行っている。その他に希望があれば随時保育参観を実施。
職員の資質向上の促進
- 「相模原市立保育園保育マニュアル」や「大沼保育園保育マニュアル」に、保育の理念や保育目標を明記している。内容を職員会議で読み合わせ周知し、基本姿勢の統一をはかっている。
- 研修計画は「保育所職員研修計画」に基づき、役職・勤続年数・担当などに配慮した一貫性を持った計画が保育課で作成され実施されている。園内研修は「自主研修予定表」を作成し職員全体で取り組んでいる。
- 外部研修を受講した職員は、職員会議で研修報告を行うとともに、研修報告書を回覧している。研修報告書はファイルし、自由に閲覧できるように事務室に置いている。