特別養護老人ホーム縁 JOYの第三者評価の結果
評価実施年月 | 平成26年3月〜平成26年9月 |
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公表年月 | 平成26年10月 |
対象サービス | 特別養護老人ホーム |
法人名 | 社会福祉法人相模福祉村 |
対象事業所 | 特別養護老人ホーム縁JOY |
住所 | 〒252-0244 相模原市中央区田名7691番地の1 |
TEL・FAX | TEL:042-764-1110 FAX:042-764-5505 |
ホームページ | http://www.fukushimura.or.jp |
総合評価
施設の概要
特別養護老人ホーム縁JOYは、JR相模線上溝駅からバスで10分の田園地域にある。経営母体は社会福祉法人相模福祉村で、本施設は地域社会の発展に貢献できるように平成20年5月に設立された。施設の定員は90名。10名定員の短期入所生活介護施設と30名定員の通所介護施設と居宅介護支援事業所を併設している。居室は10名ずつのユニット式で各ユニットには居間と個室が設けられている。「訪れた人が『また来たい』と思う施設であること」を目標とし、一人ひとりの要望を聞きながら、それに応えていく姿勢を大切にして支援を行っている。また、職員が働きやすいよう、企業内保育所を設けている。
優れている点
木のぬくもりと人の温かさが感じられる生活空間である。
各ユニットごとの入口は格子戸で木のぬくもりが感じられ、施設全体は、こげ茶と白を基調とした色彩でまとめられており、戸建の住宅にいるような落ち着きがある。職員は利用者に対して穏やかに笑顔で接し、利用者はそれぞれ好みの場所で落ち着いて過ごしている。職員は来訪者を笑顔で迎え、温かい雰囲気が感じられる。
一人ひとりの要望を聞きながら支援を行っている。
介護支援計画書の作成にあたり利用者と家族に「どのように過ごしたいか」などの要望を聞いて、それを実行するために一人ひとりの計画の短期目標を一覧表にし、目標が達成されているか毎日確認している。また、食事、入浴、排泄などについて一人ひとりの要望を取り入れて24時間の支援計画を立て、全利用者の計画を一覧表にして支援を行っている。その他、外出などの個々の要望にも応え、楽しく過ごせるよう配慮している。
楽しみのある美味しい食事を提供している。
毎月栄養管理委員会を開催し、利用者と職員からの意見を取り入れ献立を作成している。嚥下や疾患に配慮するだけでなく、利用者の一番人気であるお寿司などの提供も行っている。また、月1回の行事食、ユニットでの調理会、職員や家族との外食など、楽しく食事が出来るよう工夫している。新鮮な食材を使用して温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たく提供できる最新調理システムのクックチル・(真空調理法)を導入している。
地域との連携に力を入れている。
「相模福祉村をわが地域の文化へ」の経営理念・経営目標を持ち誰もが安心して過ごせる街づくりを目指している。そのため、地域の方々との交わりを大切にし、生花、書道、絵手紙などのサークルや民謡、尺八など、イベントのボランティアを多く受け入れている。毎週1回行われている地域のボランティアによる喫茶コーナーは利用者の楽しみの一つとなっている。施設主催の夏まつりには500名ほどの地域の方々が参加し、法人主催のゲートボール大会にも多くの地域の方々の参加がある。
独自に取り組んでいる点
毎日のケース記録を家族が見ることができる
セキュリティに配慮したシステムを取り入れている。 利用者の様子を家族が知ることが出来るよう、ケース記録をインターネットを通して見ることができるシステムを取り入れている。日々どのように過ごしているかが良くわかると家族から好評である。
個別入浴
施設の入浴設備として、各ユニットに一般的な浴槽に加え檜浴槽を用意し、施設全体の設備として、車椅子浴槽と寝台型入浴を設置している。身体状況を考慮しながら、一人ひとりの要望に応じて入浴スタイルを選び、出来るだけ楽しんでいただけるよう工夫している。入浴介助は1対1を基本としている。
液晶モニターによる掲示
玄関に設置の液晶モニターに、施設概要、理念、目標、方針その他、第三者委員や苦情解決のしくみ等、利用者や家族への案内等が随時閲覧できるようになっている。
評価領域ごとの特記事項
人権の尊重
- 利用者に対して、適切な呼称、言葉遣い、適切な態度で接するために、倫理綱領、人権ガイド、接遇マニュアルを作成し、新任研修で説明すると共に全職員に配付している。
- 身体拘束防止マニュアル、虐待防止マニュアル、個人情報保護マニュアルを作成し、各ユニットに常備している。施設内研修も行っている。ケア手順書には、入浴、排泄などの介助に際してのプライバシー保護について記されており、実行されている。また、職員が人権への配慮を行うことが出来るよう、職員間のコミュニケーションに努めている。
- 「苦情解決の仕組みや苦情受付窓口」について、契約書に明記しているほか、玄関の液晶モニターに表示している。
意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供
- 個別支援計画作成にあたり利用者と家族に「どのように過ごしたいか」などの意向を聞いている。
- 食事、入浴や排泄などについて、一人ひとりの要望を基に担当職員が個々の支援に関する「24時間シート」を作成し、職員間で介助方法を検討しながら本人の希望に応じた支援を心がけている。
- 利用者の希望に合わせて買い物等の外出を実施している。
サービスマネジメントシステムの確立
- マニュアルに基づき衛生管理が行われ感染症に関して対策が行われている。食堂などの共有部分は毎日、居室は週1回と適宜、浴室は使用後と月1回、各所定期的な清掃が行われている。施設内は清潔に保たれている。
- 救命救急時の対応についてマニュアルが作成され、各ユニットに掲示している。消防訓練を年2回実施し、被災時の対応について周知している。
地域との交流・連携
- 生花や書道などのサークルの講師やイベントの出し物、日頃の洗濯物たたみや傾聴など、月に50〜60名のボランティアが活動している。週1回地域のボランティアによる喫茶コーナーが開かれ、利用者の楽しみの一つとなっている。
- 毎月法人の広報誌を発行し施設の活動について伝えている。施設主催の夏まつりは広報誌に掲載するほか職員がチラシを配付し、毎年500名ほど地域の方々が参加している。
- 近隣の4校の中学生の職場体験を受け入れて、施設について理解してもらえる機会となっている。
運営上の透明性の確保と継続性
- 運営会議には同法人の他の高齢者施設の施設長と経営コンサルタントが出席し、本施設以外からの意見や評価を聞くよう心がけている。
- 各部署ごとに総括を行い事業報告書を作成している。事業報告書は家族に配付し施設の入口にも置き、常時見ることができる。
- 一年に1回、苦情解決第三者委員会を開催し、苦情報告及び事業報告を行っている。また、半年ごとに書面による苦情報告を行い、第三者委員会からコメントをもらっている。
職員の資質向上の促進
- 年間計画を立て、施設内研修を行っている。外部研修にも参加し報告書を作成し、他の職員も見ることができる。
- 施設の理念は毎年事業計画に記載し全職員に配付している。新任研修で伝えると共に、年1回理事長が全職員に説明している。
- 実習生を受け入れ、指導要領に基づき指導している。実習生を受け入れることは職員の質の向上に繋がっている。